個人再生

個人再生で財産はどうなる?残せる場合のルールと清算価値の計上方法も

原則、個人再生の場合は持っている財産を処分する必要はありません。ただし、今後支払わなければならない借金の額より自分の持っている全財産のほうが大きくなる場合は、裁判所から個人再生手続きの認可をしてもらえません。

今持っている財産のことを「清算価値」といいます。ここでは、個人再生することで持っている財産はどうなるのか、清算価値について詳しく解説します。個人再生をすると財産を処分しなくてはならないのかとお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

目次

個人再生した場合に残せる財産は?

個人再生における清算価値保証原則とは?

破産での配当額を下回ってはならないというルール

債権者が不当に損をしないように設けられている

個人再生で清算価値に計上される財産

個人再生で清算価値に計上される時期

個人再生で清算価値が高額になった場合の対処法

再生計画案の返済期間を延長する

財産を処分する

自己破産への切り替えを検討する

まとめ

 

Contents
  1. 個人再生した場合に残せる財産は?
  2. 個人再生における清算価値保証原則とは?
    1. 破産での配当額を下回ってはならないというルール
    2. 債権者が不当に損をしないように設けられている
  3. 個人再生で清算価値に計上される財産
  4. 個人再生で清算価値に計上される時期
  5. 個人再生で清算価値が高額になった場合の対処法
    1. 再生計画案の返済期間を延長する
    2. 財産を処分する
    3. 自己破産への切り替えを検討する
  6. まとめ

個人再生した場合に残せる財産は?

個人再生では、担保権が付いていない場合は財産をすべて残せます。車や不動産を所有していたとしても担保権がなければ、個人再生手続きで換価されることはありません。一方、担保権が付いている財産は担保権者によって引き上げられ、競売にかけられることがあります。

気をつけたいポイントは、個人再生における「清算価値保障原則」です。「清算価値保障原則」に則って債務者が持っている財産の総額が借金の金額を上回ると、再生計画案は認可されないので注意が必要です。

個人再生における清算価値保証原則とは?

「清算価値保障原則」とは、個人再生において最低弁済額は債務者が自己破産を選択したときに、債権者に配当される金額よりも下回ることを認めないというルールのことです。清算価値とは、個人再生の申立人である債務者が申立て時点で所有している財産の総額を指します。

破産での配当額を下回ってはならないというルール

個人再生したとしても、破産した場合より多い金額を債権者に支払わなければならないというルールがあります。債務者は個人再生をすることで、破産せずに経済的自立をする機会をもらうことになります。せめて破産での配当額よりも多い金額を払うべきであるという考えのもと決められています。

債権者が不当に損をしないように設けられている

個人再生における清算価値保証の原則では、仮に債務者が自己破産を選んだ際に配当に充てるはずだった金額分は必ず債権者に支払わなければなりません。これは債務者が自己破産ではなく個人再生を選んだことにより、債権者が一方的に損を被らないように定められています。

個人再生で清算価値に計上される財産

清算価値に計上される財産は、以下のものがあげられます。

  • 99万円未満の現金
  • 預貯金
  • 保険解約払戻金
  • 自動車
  • 不動産
  • 退職金
  • 家財道具
  • その他差押えを禁止されている財産

計上される財産やその度合いについては、各地方裁判所によって判断が異なります。清算価値に計上される財産の詳しい説明が聞きたいときは司法書士など専門家に相談しましょう。

個人再生で清算価値に計上される時期

個人再生において清算価値に計上される時期は、基本的には裁判所の認可時です。個人再生の準備から申立て、再生計画の認可・不認可までは約1年から1年半ほどかかるといわれています。再生計画案の認可・不認可を裁判所が判断した時点から計算されますが、実際には再生計画案を提出するときの資料から計算されることがほとんどです。しかし、そのあとに裁判所、または個人再生委員から追加の資料を提出するよう指示されることもあります。

個人再生で清算価値が高額になった場合の対処法

清算価値保障原則のルールにより、個人再生における返済額が高額になるケースがあります。その場合は、借金額や返済額、手続き後の弁済額を鑑みて対処する必要があります。主な対処法として3つ考えられます。それは「再生計画案の返済期間の延長」、「財産処分」、「自己破産への切り替え」です。

再生計画案の返済期間を延長する

毎月の返済額が高額になってしまった場合でも、家計の収支と照らし合わせて返済できるであろうと判断されれば再生計画案は認可されます。そのあとに事情があって継続的な収入の見込みはあるものの、返済が難しくなった場合は最長2年まで返済期間を延長できます。

つまり、個人再生においては原則3年の返済期間を5年まで延長できる可能性があるということです。ただし、延長してもらうためには裁判所に事情を説明し、認めてもらうだけの具体的な理由が必要になります。

財産を処分する

高額の財産を所有しているために月々の支払いが上がったのであれば、財産を処分して返済に充てるのもひとつの方法です。個人再生で財産を処分するかどうかは、債務者が自由に決められます。生命保険の解約や契約者貸付の利用、自己破産を避けたい場合は不動産や車などを売却することも考えてみましょう。

自己破産への切り替えを検討する

返済できる見込みがなく再生計画案が認可されない場合は、ほかの債務整理を検討しましょう。個人再生から切り替える場合、自己破産も選択肢のひとつです。高額な財産を保有しているなら自己破産をするとある程度は処分されてしまいます。しかしその反面、特別な理由がなければ借金の返済義務がすべて免除されるという大きなメリットがあります。

まとめ

個人再生をすれば借金は減らせます。しかし、5分の1から10分の1に減らせることもあれば思っているよりも減らないこともあり、財産状況によって変わります。保有している財産が高額な場合は返済額が手続き前より大きくなる場合があるので注意が必要です。

再生計画案が認められなければ、それまでの手続きに費やした労力や費用が無駄になってしまう場合もあります。個人再生した場合に弁済額がどのように決定するのか、どの程度の金額になるのか知りたい、債務整理を考えている、そのようなときは早めに専門家に相談しましょう。事前に最適な手続きを選択することが大切です。

 

個人再生に関することは、大阪借金整理相談所(天馬司法書士事務所)までお気軽にご相談下さい。