借金の返済にお悩みの方が、まず考えるべき債務整理の方法は「任意整理」です。任意整理とは、将来の利息支払いを免除してもらい、さらに債務の毎月の返済額を債権者と交渉する手続きのことを指します。裁判所を通さずに債権者と直接交渉するため、ほかの債務整理の方法よりも比較的スムーズに手続きが終わります。
・目次
任意整理を考えるべき状況
任意整理を考えている場合は、まず、債務整理に強い司法書士や弁護士に相談します。相談者の債務や財産、収入の状況によっては、ほかの債務整理の方法を選ぶべき場合もあるからです。
収入はあっても月々の返済額が多く生活が苦しい状況や、利息だけを返済しているような状況で、借金の返済だけで手一杯になっている方は、任意整理を考えるべきでしょう。
司法書士や弁護士に依頼して債権者と交渉してもらうことで、将来、支払うべき利息をカットしてもらい、通常は36回、最大60回の分割にて、債務を返済します。任意整理でカットされるのは利息だけですが、債務の毎月の返済額を見直すことができるため、返済の負担はとても軽くなります。
任意整理で債権者に交渉すること
少々重複しますが、任意整理の交渉で債権者に依頼することについて解説します。
月々の返済額
司法書士や弁護士が負担軽減のために月々の返済額を減らせないか交渉します。4万円や5万円なら返せると考えていたものの、状況が変わり返済が苦しくなることは、誰にでも起こりうることです。
取り立ての停止
返済が滞ってしまうと、債権者から支払いの催促をする取り立てが行われます。この取り立て業務を止めてもらうよう依頼します。実際は、司法書士や弁護士に債務整理の手続きを依頼すると受任通知が債権者に送られるので、その時点で取り立ては止まります。
過払い金の存在の確認
2007年ごろまでに消費者金融やカードローンなどを利用して借金をしていた場合、上限金利を超えた金利を支払っていた可能性があります。調査により、過払い金が確認できた場合、その分の返還を請求できます。もしも過払い金が見つかった場合は、過払い金を借金に充当することで、すでに借金を完済している可能性もあるので、そうなれば借金はゼロになります。
任意整理の条件
任意整理により借金の完済を望んでも、誰もが利用できるわけではありません。条件があります。
返済する意志を持っていること
債務者が、借金を返済するという明確な意志を持っていなければ、任意整理を利用することはできません。任意整理ではこれからも借金を返し続けていくわけですから、これは当然のことです。
原則として3～5年で返済が終わること
任意整理により利息のカットと分割での返済が認められるのは、債務を3～5年で返済できる場合のみです。借金の額や相手方の業者によっては、さらに長期間の分割払いに応じてくれるケースもあります。
安定収入があること
返済を続けるためには安定した収入源がなければなりません。そのため、給料などの収入があることが必要です。
任意整理の手続きの流れ
先ほども触れたとおり、任意整理を考えている方は、債務整理に強みを持つ司法書士や弁護士にまず相談します。債務の状況などを考慮しながら適切な債務整理の方法を考えてもらいましょう。
任意整理による債務整理が決まったら、司法書士や弁護士に依頼します。すぐに受任通知が債権者に送られるので、取り立ては止まります。あとはほとんどが司法書士や弁護士の仕事になるので、依頼者がやることは特にありません。
任意整理で注意すべきこと
任意整理では、整理する対象を選ぶことができます。任意整理の手続きをする際、保証人のついている借金を整理してしまうと、保証人にすべての借金返済の請求が行ってしまいます。保証人への請求は基本的に一括で行われるため、金額が大きいと保証人までもが債務整理をしなければならなくなるので、保証人がついている債務については整理の対象から、外すこともできます。
任意整理のあとのこと
任意整理の交渉が終わり、和解書を取り交わして返済のスケジュールが確定したら、あとはそのとおりに返済を進めていくだけです。
ただし、任意整理のあとは信用情報機関に事故情報が登録されます。この事故情報はすべての金融機関に共有されるので、ローンやクレジットカードの審査をパスすることが難しくなります。
借金を完済後、さらに5年程度経過すると信用情報機関から記録が抹消されます。
任意整理のあとは、このようにお金を借りること自体が困難になります。そのため、違法な貸金業者（闇金）の誘惑が、任意整理をした人を悩ませることがあります。闇金から金を借りてしまっては、それこそ任意整理がむだになってしまうので、強い意志を持って、闇金からの誘惑を断ち切ることが重要です。
任意整理にことは、大阪借金整理相談所（天馬司法書士事務所）までお気軽にご相談ください。